大印展

「大印展」は今年で57回を数える、数少ない印章に関する大規模

な展覧会です。昭和28年に日本初の印章展覧会としてスタートし

現在は200点以上の応募数があります。


・大阪の展覧会から、全国、世界に門戸を開く

大印展がスタートした昭和28年当時は、東京の印章彫刻レベルが

突出していました。これに近づきたいという目的で、当時の理事

長の吉崎之雄氏をはじめとする理事が「大印技術部」そして「大

印技術講習会」を設立。そしてその講習会の生徒の作品発表会と

して開催されたのが「大印展」の始まりです。


翌年の第2回から大阪以外の募集も受け付けました。その際は同時の理事から「大阪の予算で行うのに他の地域の作品を受け入れていいのか」という異議がありました。しかし、当時の技術部長の堤清氏が「全国から応募があればそれだけ大印展のレベルが上がる。全国展でいいじゃないか」と強く主張して全国に門戸が広がった経緯があります。

その甲斐あって、現在は全国から多
くの応募が集まるようになりました。そして受賞も当初の金賞・銀賞・銅賞に加え、経済産業局長賞、大阪府知事賞、大阪市長賞などの各賞が受賞されるようになるなど、まさに全国展と呼ぶにふさわしい形態となりました。またそれだけではなく、過去には出展者から話を聞いた業界外の素人の方からの応募があったり、現在では韓国から毎年出展を頂くなど、業界外や外国からの応募もあるほどです。



大印展と全連大会

日本の印章業展覧会としては、「大印展」の他に「全国印章技術大競技会(以後「全連大会」とします)」があります。全連大会は2年に一度、日本国内のどこかの地域(平成二十二年は高知で開催予定)にて開催される展覧会です。
全連大会は全国での競技会と言うこともあって多くの作品募集があります。この大規模な全連大会が産まれたのも「大印展」の存在があったからです。


大印展の品目

第一部
木口密刻
1辺36mm以内の駒の印面に、所定の文字と任意の絵を彫刻し、捺印した紙と駒本体を提出し、その美しさを競います。
第二部
木口角印
1辺36mm以内の駒の印面に、所定の文字を彫刻し、捺印した紙と駒本体を提出し、その美しさを競います。

第三部
木口認・実印
1辺15mm以内の駒の印面に、所定の文字を二種類彫刻し、捺印した紙と駒本体を提出し、その美しさを競います。実印は二行、認印は1行。枠の形は角、丸、小判いずれでもよいとなっておりますが、彫刻は文字のみで、絵を彫刻してはいけません

第四部 
ゴム密刻
1辺80mm以内のゴムの印面に、所定の文字と任意の絵を彫刻し、捺印した紙とゴム(台木をつけたもの)本体を提出し、その美しさを競います。

第五部
ゴム普通
70mm×25mm以内のゴムの印面に、所定の文字を彫刻し、捺印した紙とゴム(台木をつけたもの)本体を提出し、その美しさを競います。縦書き横書きは自由です。

第六部
篆刻
1辺80mm以内の石の印面に、所定の文字を彫刻して、捺印した紙のみを提出し、その美しさを競います。
第七部
書道条幅
135cm×45cmの半切の紙に、所定の文字を墨字で書き、仮巻に貼付(本表装でも良い)して提出し、その美しさを競います

第八部
書道半紙
半紙に所定の文字を墨字で書いて提出し、その美しさを競います。

第九部
判下
70mm×25mm以内に収まるように、所定の文字を異なる書体で二種類書いて提出し、その美しさを競います。縦書き横書きは自由です。

第十部
刻字
26cm×16cm または30cm×10cmの板に所定の文字を彫刻して提出し、その美しさを競います。縦書き横書きは自由です。
第十一部
少年少女
半紙に自由な文字を墨字で書いて提出いただきます。小中学生が対象です

第61回大印展表彰者  
  

第62回大印展規定書